「新しい商品を出したいと思っているんですが、試作にお金がかかるんですよね」
大分でお話を聞いていると、新商品の構想は持っているのに開発費の工面で止まっている事業者の方が少なくありません。
パンの新しいラインナップ、日本茶の新しい売り方、地元の素材を使った加工品——構想はある。試作と改良にかかる費用が重い。
大分県には、まさにこの段階を支える助成金があります。
おおいた中小企業活力創出基金助成金(商品開発支援事業)、愛称「かがやき」です。
助成率は3分の2以内、上限200万円。現在、第18回の募集が行われています。
ただし、応募する前に「事前相談」を済ませておく必要があり、その期限は申請締切より9日早いという設計です。
ここを知らずに締切ぎりぎりで動くと、書類が間に合っても応募そのものができません。
この記事では、制度の中身とその関門の越え方を整理します。

まず制度の中身
第18回の概要です。
発行元は(公財)大分県産業創造機構です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成率 | 対象経費の3分の2以内 |
| 助成限度額 | 200万円 |
| 募集期間 | 2026年9月9日(水)〜11月4日(水)17時必着 |
| 事前相談の期限 | 2026年10月26日(月) |
| 事業期間 | 交付決定日から1年6か月以内 |
| 申込方法 | 郵送・持参・メール |
| 問い合わせ | (公財)大分県産業創造機構 TEL 097-537-2424 |
誰が応募できるか
対象は次のいずれかです。
- 大分県内で主たる業務を営む中小企業者
- 大分県内で創業を希望する方
- 大分県内に事業所を有する有限責任事業組合(LLP)および特定非営利活動法人(NPO法人)
創業希望者も対象に入っている点は見落とされがちです。これから始める方でも応募できます。
何を支援する助成金なのか
対象となる取り組みは3つの方向で示されています。
- 将来的に企業の顔となり得る商品・サービスの開発
- 既存商品の改良
- 独自技術を生かした新分野への参入を目的とした商品開発
ここで注目したいのは「既存商品の改良」が明記されていることです。
まったく新しいものを生み出さなければならない、という制度ではありません。
いま売っている商品を良くする取り組みも対象になります。
最大の関門は、事前相談の締切です
ここが本題です。
この助成金は、応募の前に事前相談を済ませておくことが必要です。
そして相談の期限は10月26日(月)。
申請締切の11月4日より9日早い設定になっています。
| 日付 | やること |
|---|---|
| 〜10月26日(月) | 事前相談を済ませる |
| 〜11月4日(水)17時 | 応募書類を提出(必着) |
つまり実質的な勝負は10月26日です。
11月4日を目標に準備していると、書類が仕上がっても応募できないことになります。
この構造は大分の制度でよく出てきます
同じ型の落とし穴は、他の制度にもあります。
- 大分市 小規模事業者競争力強化支援事業補助金 — 申請の前に「エントリー」が必要で、後期のエントリーは8月に終了していました
- 小規模事業者持続化補助金 — 商工会・商工会議所が発行する様式4(事業支援計画書)の締切が、申請締切より早く設定されています
補助金の本当の締切は、公表されている申請締切ではないことがあります。
前提となる手続きの期限から逆算する癖をつけておくと、取りこぼしが減ります。
相談は「手ぶら」でも大丈夫です
事前相談と聞くと、計画書を固めてから行くものと思いがちです。
しかし機構のFAQでは、初回の相談は準備がなくても可能とされています。
相談の申し込みは電話・メール・ホームページの問い合わせフォームから行えます。
構想が固まっていないから相談を後回しにする、というのが最もよくない選択です。
期限があるのは相談のほうなので、固める前に一度つないでおくのが正解です。
対象になるかどうかの判断や、構想の整理からご相談いただけます。
重点業種なら、こういう使い方ができます

「商品開発」と聞くと製造業の話に思えますが、対象は業種を限定していません。
想定される使い方を挙げます。
食品製造・小売
- パン屋・洋菓子店:日持ちする土産向けの焼き菓子を新規開発し、パッケージまで設計する
- 日本茶販売:若い世代向けのティーバッグ商品を開発し、ギフト需要に合わせた詰め合わせを作る
- 食品加工:県産素材を使った加工品を開発し、常温流通できる形に改良する
飲食・宿泊
- 飲食店:店で出している人気メニューを、持ち帰り・通販できる商品に改良する
- 旅館・ホテル:館内で提供している品を土産物として商品化する
美容・サービス
- サロン:施術で使っているケア方法を、自宅用のサービス・キットとして商品化する
既存商品の改良が対象に入っているので、「いま売れているものを、別の売り方ができる形に変える」という発想が使えます。
試作と改良に費用がかかる段階こそ、この助成金の出番です。
「商品開発」を広く捉えてください
相談の場で多いのが、「うちは新しいものなんて作っていないから」という反応です。
ところが実際に話を聞いていくと、対象になりそうな取り組みが出てくることがよくあります。
たとえば、こういう状況です。
- 店頭でよく聞かれる要望に応えて、サイズや容量を変えた商品を出したい
- 日持ちが短いせいで遠方に送れない商品を、常温や冷凍で届けられる形にしたい
- 原材料の値上がりに対応するため、品質を保ちながら配合を見直したい
- 贈答用に包装を変えたいが、デザインや資材の試作に費用がかかる
いずれも「既存商品の改良」や「新分野への参入」に当てはまる可能性があります。
ゼロからの発明である必要はありません。
助成率が3分の2ということは、300万円の取り組みで200万円が上限に届く計算です。
試作を何度も繰り返す商品開発では、この差が実行できるかどうかを分けます。
10月26日から逆算してやること
残り時間から考えて、現実的な順序はこうなります。
- 今週中に事前相談を申し込む(電話・メール・フォーム)。構想が固まっていなくても構いません。期限があるのは相談のほうです
- 何を作るかを一文で言えるようにする。「誰に、何を、いまと比べてどう良くするか」。相談の場で話せる程度で十分です
- おおよその費用を洗い出す。試作材料、外注するデザイン、検査や分析の費用など。助成率3分の2なので、300万円の取り組みで200万円が上限に届きます
- 事業期間を確認する。交付決定日から1年6か月以内に完了させる必要があります。開発から販売開始までの段取りが収まるか確認してください
- 応募書類を仕上げて11月4日17時必着で提出
費用の洗い出しと事業計画の組み立ては、相談と並行して進めて問題ありません。
先に相談の予約を取ることが最優先です。
なお申込書類の詳細(募集案内・交付要領・様式)は機構のホームページに掲載されています。
過去の回では直近2期分の決算書や履歴事項全部証明書(法人の場合)の提出が求められていました。
最新の様式と必要書類は必ずご確認ください。
まとめ
- 大分県の「かがやき」は商品開発に助成率3分の2以内・上限200万円。第18回の募集は11月4日(水)17時必着です。中小企業者だけでなく県内で創業を希望する方も対象です
- 応募には事前相談が必須で、期限は10月26日(月)。申請締切より9日早い設計です。実質的な期限はこちらだと考えてください。初回相談は準備がなくても可能とされています
- 対象には「既存商品の改良」も含まれます。ゼロから新商品を生み出す話に限りません。いま売っている商品を別の形にする取り組みも使えます
制度の内容や日程は年度・回次によって変わります。
応募にあたっては必ず大分県産業創造機構の公式サイトで最新の募集案内をご確認ください。
何を作るかが固まっていない段階からでもご相談をお受けしています。
構想を事業計画の形に落とすところが、この助成金で最も手間のかかる部分です。
大分で使える制度を目的別に整理したページもご用意しています。
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