キントーンで顧客管理を一元化

クラウドサービスのイメージ画像

7月も中旬に入りました。一気に蒸し暑くなって「夏」という感じになってきました。

先週、今週とよろず支援拠点での勤務は、創業セミナーが中心となります。移動が多くなかなか大変ですが、各地で雰囲気が違っていたりするので、そこも楽しいところです。

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宇佐市創業支援セミナー(7/9)

今回はキントーンを使ったシステム導入について書きたいと思います。

目次

キントーンとは

キントーン」はサイボウズ社が提供している「業務改善」用のクラウドサービスです。キントーン上に自由に、そして簡単にアプリを作成でき、メンバー間での情報共有が簡単にできるになっています。

システム開発で必要なプログラミングをしなくても作れる「ローコード開発」なので、あまりプログラミングをしたことがない人であっても簡単に始められるというメリットがあります。

ただし、「複雑な処理を実現したい」という場合には、追加機能をまとめたプログラムである「プラグイン」を追加したり、Javascriptでプログラムを作成したりして実現することができます。

導入前の課題

紙ベースでの情報共有イメージ
紙ベースでの情報共有がまだまだ多いです

今回キントーンの導入を支援した企業(宅配水事業者)では、次のような問題を抱えていました。

  • メンバー間の情報共有は基本的に紙ベースで行われている
  • 請求処理用、顧客管理用にシステムが分かれており、システム間のデータ連携処理に手間がかかる
  • 商品配送スケジュールは、内勤担当者が作成した後、配送担当者が個別に更新
  • データ連携に関する業務をできる担当者が一人だけ

このような状況の改善についてご相談いただき、IT導入補助金を活用してキントーンを導入することにしました。

キントーンを使って実現したこと

上記のような問題点を解決するために、キントーンを使って以下のような機能(主な機能)を作成しました。

  • 顧客・契約管理アプリ
  • 配送スケジュール管理アプリ
  • 精算集計アプリ

新規契約をとってくる営業担当者にはiPadを持ってもらうようにしました。キントーンはクラウドサービスなので、外出先でインターネットにつないで、契約のその場でお客様の情報を登録できるようにしました。

配送スケジュールもキントーン上のアプリで一元管理できるようにしました。お客様との連絡ツールとしてLINE公式アカウントを導入して、チャットベースで納品希望本数等を受付できるようにしました。

配送担当者はAndroidのスマートフォンを持って配送業務を行います。納品したボトルの本数等をその場で入力できるようにしました。

導入の注意点

以上のような形で「紙ベースの業務の削減」「システムの一元化」に取り組んできました。キントーンでのシステム開発も一通り出来上がって本稼働がスタートしており、今は細かな不具合修正等を行っているところです。

今回のキントーンを使ったシステム導入にあたって、事前に「考慮が足りなかった!」と思ったのは以下のような点です。

  • 場所によってはインターネットにつながらない
  • スマートフォンからの伝票印刷の設定が大変

キントーンはクラウドサービスなのでインターネット接続がないとデータの保存ができないのですが、地域によっては携帯電話の通信網ではカバーしきれないところもあり、そこでは紙の書類も併用の必要がありました。

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外でのインターネット網には要注意

伝票印刷は当初、キントーンの画面をそのまま印刷するという前提で準備を進めましたが、最終的には帳票作成用のプラグインを使ってデザイすることとなりました。しかも配送業務で使用するモバイルプリンターでの印刷ということで帳票のサイズ設定を自由にできるものが少なく、印刷の調整も含めてかなりの時間を要しました。

まとめ

今回初めてキントーンを活用したのですが、プログラム未経験者でも使いやすいようによく作られていると思いました。基本的に、キントーンでは「業務システムは継続的に改善・改良していくもの」との思想を持っています。今「一通り出来上がった」状況にありますが、それで完成とするのではなく、常に「改善できるもの」として捉える必要があります。この辺の考え方も今後の支援を通じて伝えていきたいと思っているところです。

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