【支援事例】「伝統工芸」のDXに挑戦


こんにちは。

大分の中小企業診断士事務所・ほり中小企業診断士事務所です。

3月に入り、陽射しが少し春らしくなってきました。

気温的にはまだまだ寒い日が多いのですが、じきに暖かくなってきそうです。

今回は、「西野竹刀製作所」様のDXへの取り組みを紹介いたします。

目次

西野竹刀製作所について

西野竹刀製作所のホームページ(写真をクリックすると表示されます)

西野竹刀製作所は、大分県竹田市で地元産の真竹を使った竹刀の製作・販売を行っています。

創業後しばらくは「竹材店」として、竹刀以外のものも作られていたようですが、世の中の移り変わりとともに「竹材」の需要は減少し、竹刀製作に特化していったとのことです。

竹田は私の出身地ながら、今回のご縁で初めてその存在を知った事業者です。

企業情報

屋号:西野竹刀製作所

所在地:大分県竹田市会々2526-2
電話番号:0974-63-0775
ホームページ:https://kendomadakeshinai.jp/
※まずはお電話ください。

竹刀製作について

現在、山から竹を切り出して竹刀を作り上げることができる職人は、全国でも数えるほどしかいないようです。

なかでも、ご主人の「竹刀師」光隆さんの腕前は全国でもトップクラス。

組みあがっている竹刀をバラして修理ができるのは西野さんだけとのこと。

全国トップクラスの剣士の間でも評判の業者です。

中には若手の人が西野さんの竹刀を購入されたら、ベテランの方に「お前が持つにはまだ早い」と言われて取り上げられたとか、「お前が持ちたいのならオレに勝ってからだ」と言われた人が最近ようやく勝てたので申込してきた・・・などなどの逸話がたくさんあるようです。

西野竹刀製作所のDX

今回は大分県のDX推進事業「デジスキ」を通じて、DX化の取り組みをご支援いたしました。

当社の課題

今回の取り組みにあたっての課題は以下のようなものでした。

  • 顧客の連絡先の情報管理は「Google連絡帳」、請求管理・会計管理は「MFクラウド」、竹刀等の写真は「Googleフォト」といったように、それぞれに利用できるツールを活用していたものの、一元的な管理ができていなかった。
  • 竹刀の寸法等に関するデータをシステム的に管理できていなかった。

事務を担当する西野さんの奥様からは、これらのことを解決して「病院の電子カルテのように、お客様のことや製作・納品した竹刀の情報を一元的に見ることができるシステム」が欲しいとのリクエストをいただきました。

解決策:「顧客管理システム」の導入

今回の「デジスキ」事業がクラウドサービスの導入に対する経費に対する支援ということもあり、クラウド型CRMの「Zoho CRM」の導入を提案いたしました。

当初は「HubSpot」を中心に検討していたのですが、「MFクラウド請求書」とデータ連携ができるということで「Zoho CRM」を導入することとしました。

Zoho

基本的な初期設定と商品である「竹刀」に関する情報を管理するための入力欄等の設定をご支援して、この3月より本格的に運用開始となりました。

竹刀の寸法に関するデータはこのZoho CRMの中で管理するだけでなく、データの集計や分析がしやすくなるようGoogleスプレッドシートにもデータを連携できるようにZapierを活用しました。

そしてその竹刀の寸法のデータだけでなく、お客様の身長や体重、剣道歴等のデータも収集、登録し経営に活かしていくことを想定しています。

伝統産業とDX

「西野竹刀製作所」は日本の典型的な「職人」の事業者です。

十分にその腕前だけでお客様を捉えてやっていけるのだろうと思いますが、これから新たにお客様を開拓したり、竹刀だけでなく剣道と関連する業界を盛り上げていくためには「デジタルツール」の活用が必要と思います。

単に注文された銘柄の「竹刀」を製作するだけでなく、顧客一人ひとりにあった「竹刀」を提案できるようなサービスへと今後もご支援していきたいと思います。

本格的に剣道をされている方、本物の真竹を使った竹刀をお探しの方はぜひ「西野竹刀製作所」の竹刀をお求めください!

DXセミナーのお知らせ

当社では業務のDX化に関するセミナーを開催しています。

3月は以下の日程で開催いたします。

ぜひご参加ください。

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
にほんブログ村