「DX」はビジョン実現のための「ツール」?


6月入って早々、梅雨らしい雨の日が続いています。
と言いつつ書いている今日(6/7)は晴れてて良い天気なのですが(^^;

先日、大分県のDX推進事業「湧く沸くDXおおいた」のセミナー・イベントに参加してきました。

その感想も含めて、「DX」について考えたことを記しておきたいと思います。

目次

「湧く沸くDXおおいた」とは

この「湧く沸くDXおおいた」は昨年2022年度から始まった事業で、大分県内の民間事業者の「DX」への取組を啓発するとともに、実証事業としてプレゼン審査に合格すると補助金が支給されるというものです。

この事業に参加する事業者は、以下の3つに分類されます。

  • 自社業務のDXに取り組みたい「DX宣言事業者」
  • 「DX宣言事業者」に対して伴走支援する「コンサルティングパートナー」
  • デジタル化のためのソリューションを提供する「ソリューションパートナー」

私は法人名義(合同会社白眉コンサルティング)で「コンサルティングパートナー」に登録しています。

この事業では「DX宣言事業者」が、将来の「ありたい姿」をビジョンとして設定し、そのビジョン実現に向けて「コンサルティングパートナー」が支援しながら「ソリューションパートナー」からデジタル化の支援を受けるというものです。

第1回セミナー(6/6開催)について

昨日(6/6)の午後(14時~15時30分)に第1回セミナー・座談会が「オフライン+オンライン」で開催されました。

私は当初オフライン参加の予定でしたが、セミナー・座談会終了後の時間帯にZoomミーティングの予定が入ったため、オンライン参加へ切り替えました。

内容は「ビジョン」について。本事業のたてつけとして、まず事業者の「ビジョン」があって、そこに向かって「DX」に挑戦していきましょうということなので、そのようなテーマ設定となったのかと思います。

セミナー部分はさておき、オンラインからの参加者は座談会としてZoomのブレイクアウトルームに招待されたのですが、そこが少し残念でしたし今回の記事のテーマについて考えるきっかけともなりました。

座談会での残念なこと

座談会の進行は事務局を受託している企業の若手社員の方でした。

座談会のテーマとしては、「DX宣言事業者」の参加者の方に「ビジョン」について語ってもらうというようなものでした。

しかし私が参加したルームの「DX宣言事業者」の方は3日ほど前に地域の商工会議所から「パソコンやシステムの購入に使用できる補助金制度があるよ」と紹介されたことがきっかけのようで、事務局の期待するような「ビジョン」のようなものは事前に考えたりはされていなかったようでした。

もちろんそこが残念だったのではなく、「DX」とか「補助金」とかの事前に刷り込まれていたフレーミングを外して考えてもらうような質問がなかったのが残念でした。

加えて、セミナー・座談会を通じて「DXはビジョン実現のためのツールです!」と何度も強調されていたのがとても気になりました。

「DX」の定義が難しい・・・

というわけで今回の記事のタイトルのところに戻ってくるわけですが、それにしても「DX」という言葉の定義や理解の状況が揃っていないと取組みを進めていくことは難しいなと思います。

オンライン座談会は最初割り当てられたルームに「DX宣言事業者」がほとんどいなくなってしまったため別のルームへ移動させられたのですが、そこでは「DXの取組を始めているけどうまく進んでいない・・・」というようなお話もされていたようです。

しかし、それは「DX」というよりもRPA等のITツール活用を通じた業務効率化なんでないのと感じたりもしたのです。

なぜそのように感じたのか、私の「DX」に対する理解を整理していきたいと思います。

「DX」の定義

改めてDXの定義を整理しておきたいと思います。

DXの定義

経済産業省の定義は少しややこしいですが、近年の施策風に言えば、デジタル技術を活用しながら「事業再構築」に取り組むということと理解しています。

一般にDXの進め方は次の図のような3段階が言われています。

アナログ業務のデジタル化から始まって、業務全体のデジタル化に取り組み、そしてそれらを通じ業務の変革の影響を社会へ波及させていくことが「デジタル・トランスフォーメーション」となります。

「DX」は本当にツールなのか?

このような流れで「DX」を捉えてみると、「DX」はデジタル技術を活用した業務変革の「結果」としてついてくるものなのではないかと考えています。

なので、私の中ではビジョン実現に向けたツールは「デジタル化」であり、実現した結果として「DX(したかも?)」となると考えています。

「DX」に「ビジョン」は必要か?

個人的には事業の経営のために「ビジョン」は必要かと思います。

将来、「自分の会社をこういう風にしたい」「こんな会社にしていきたい」というものは、経営の「羅針盤」になるものなのでとても大切なものと思います。

ただ、「DX」ありきの「ビジョン」というのは違うかな~と思っています。

「経営ビジョン」を実現するための取組の中のひとつにデジタル技術の活用が入ってくると思うので、「DX」のための「ビジョン」というのは違うかなと思います。

また、「DX」は結果としてついてくるものと思っていますので、「ビジョン」の実現のために業務効率化を徹底的に行い、結果としてその先に新たな事業展開が生まれてくるというのはアリだと思っています。

むしろ、中小企業・小規模事業者にとっては、ITを活用して現在の事業のムダを徹底的になくしていくような取組をしていく方が「DX」に近づくのではないかと思います。

まとめ

少しまとまりのない文章となってしまいましたが、「DX」に取り組むとはどういうことなのかを書いてみました。

これからの取組について何かヒントにしていただけるとありがたいなと思います。

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