「補助率2/3で研修ができる」——大分市の補助金にこんな制度があると知って、興味を持たれた経営者の方は多いはずです。
でも、要件をよく読むと「自社で企画する研修(自主研修)」が対象。
ここで多くの方が「自社で研修を企画するなんて無理だ」と諦めてしまいます。
実はその”無理”、大きな誤解です。
自主研修でも、講師は外部の専門家に委託してかまいません。
この記事では、補助率2/3の自主研修を「自社で企画」するハードルの正体と、その越え方を、中小企業診断士がわかりやすく解説します。
そもそも「自主研修」とは?外部研修との違い

2つの研修タイプがある
大分市の人材育成応援事業(経営力強化促進補助金)には、支援対象となる研修に2つのタイプがあります。
| 自主研修 | 外部研修 | |
|---|---|---|
| 内容 | 自社で企画・開催する研修 | 外部の研修機関が開催する研修に参加 |
| 申請 | 事前申請のみ | 事前・事後どちらも可 |
| 研修時間の要件 | 規定なし | 実研修時間6時間以上(休憩を除く) |
| 対象受講者 | 役員・個人事業主・従業員(短時間・有期雇用も含む) | 常勤役員・個人事業主・従業員(有期雇用は除く) |
「自社で企画」が補助率アップの条件
ここで注目したいのが、DX研修は補助率が2/3に引き上げられるという点です(通常研修は1/2)。
生成AI・データ活用・情報セキュリティなど、デジタル技術に関する研修が対象になります。
そして、この補助率2/3を狙う場合、「自社で企画・開催する自主研修」が中心的な選択肢になります。
だからこそ、「自社で企画する」という部分をどう乗り越えるかが鍵になるのです。
「自社で企画」の3つのハードル
自社で研修を企画しようとすると、多くの経営者が次の3つの壁にぶつかります。
ハードル1:何を教えればいいか決められない
「DX研修が必要なのはわかる。
でも、自社の場合、何をテーマにすればいいのか」——これが最初の壁です。
経営層向けの意識づけなのか、現場の生成AI活用なのか、情報セキュリティなのか。
優先順位が決められず、動けなくなってしまいます。
ハードル2:教えられる講師が社内にいない
「研修を企画しても、講師を務められる人が社内にいない」。
これは中小企業では当然のことです。
デジタルに詳しい社員がいても、人前で体系立てて教えるのは別のスキルです。
ハードル3:申請書類の準備が大変そう
補助金には事前申請が必要で、事業計画書・収支予算書・カリキュラムなど、複数の書類を揃える必要があります。
「本業が忙しいのに、そんな書類仕事はできない」と感じてしまいます。
この3つのハードルは、いずれも”外部の力を借りる”ことで越えられます。
順に見ていきましょう。
ハードルの越え方(診断士の視点)

越え方1:講師は外部に委託してよい
最も重要なポイントです。自主研修の講師は、外部の専門家に委託して問題ありません。
そして、その委託料(研修費・講師謝礼)は補助対象経費に含まれます。
つまり、「自社で企画・開催する研修」とは、”すべてを社内でやる”という意味ではありません。
開催の主体が自社であればよく、講師や研修設計は外部のプロに任せられるのです。
「自社で企画するのは無理」と諦めていた方にとって、これは大きな朗報のはずです。
実態としては、「外部の専門家に講師を頼んで、自社の会議室で開催する」という形が最も現実的です。
越え方2:研修内容は専門家と一緒に設計できる
「何を教えればいいかわからない」というハードル1も、外部の専門家と一緒に設計すれば解決します。
中小企業診断士のように経営と現場の両方がわかる専門家であれば、「御社の場合、まず経営層の意識づけから始めましょう」「現場はいきなり生成AIより、まずリテラシーの土台を」といった形で、自社に合った研修の順番・内容を一緒に組み立てられます。
(研修の順番の考え方は、DX研修は何から始める?のサービスページでも整理しています)
越え方3:申請書類はサポートを受けられる
ハードル3の書類仕事も、補助金申請に詳しい専門家のサポートを受けられます。
経済産業省認定の経営革新等支援機関であれば、事業計画書やカリキュラムの作成を実務レベルで手伝えます。
補助金の採択率は、この事業計画書の説得力で大きく変わります。
(詳しくは補助金採択率を上げる事業計画書の書き方をご覧ください)
「講師の委託」「研修設計」「申請サポート」——この3つを外部に頼れば、経営者がやることは「やろうと決めること」と「当日の受講」だけ、と言っても過言ではありません。
DX・生成AI研修を無料相談で気軽にご相談いただけます。
自主研修で気をつけたい5つのポイント
補助率2/3の自主研修を活用する際、以下の点に注意してください。
① 事前申請が必須(研修申込予定日の14日前まで)
自主研修は事前申請のみです。研修の申込予定日の14日前(年末年始を除く)までに申請書類を提出する必要があります。
書類の準備期間も考えると、実施希望日の1〜2か月前には動き始めるのが安心です。
② 交付決定後に着手する
交付決定を受ける前に研修に着手すると、補助の対象外になります。
「申請したから大丈夫だろう」と先に進めてしまわないよう、必ず決定通知を待ちましょう。
③ 同時双方向型であること
自主研修では、講演会のみのもの・録画配信など同時双方向でないオンライン研修は対象外です。
演習や質疑を組み込んだ、参加者とやり取りのある研修設計が必要です。
④ 委託先の事業実態がわかる書類が必要
講師を外部に委託する場合、その委託先(研修講師)の事業実態が確認できる書類(ホームページの画面など)の提出が求められます。
実績のある専門家に依頼するのが確実です。
⑤ 支払方法にも制限がある
令和8年度は、1取引10万円(税抜)を超える現金支払いは原則対象外です。
銀行振込など、記録の残る方法で支払いましょう。
補助金は精算払い(後払い)で、消費税・源泉徴収税は対象外です。
こんな方におすすめ
補助率2/3の自主研修は、特に次のような大分市の事業者に向いています。
- 「補助金は魅力的だが、自社で研修を企画する自信がない」方 → 講師委託で解決できます
- 人手不足で、少人数でも成果を出せる人材を育てたい方 → 生成AI・データ活用の実践研修が有効です
- 社員のデジタルスキルにばらつきがあり、底上げしたい方 → リテラシー研修から段階的に
- 一度きりでなく、計画的に人材育成を進めたい方 → 年間通算30万円の枠で段階実施が可能です
よくある質問

Q. 本当に講師を外部に頼んでも補助金の対象ですか?
はい。自主研修は「自社で企画・開催する」ことが要件で、講師まで社内で用意する必要はありません。
外部講師への委託料は補助対象経費に含まれます。
ただし、委託先の事業実態がわかる書類の提出が必要です。
Q. 研修時間は最低何時間必要ですか?
自主研修には研修時間の規定はありません(6時間以上という要件は外部研修のみに課されるものです)。
とはいえ、内容が伴う研修であることは前提です。
Q. どんな研修がDX研修(補助率2/3)に該当しますか?
生成AIやSNSを活用した営業戦略、業務効率化、データ活用、サイバーセキュリティなど、デジタル技術で自社の競争力を高める研修が該当します。
ただし該当性は市の判断となるため、事前に相談することをおすすめします。
Q. 申請書類は自分で作らないといけませんか?
専門家のサポートを受けられます。
当社では、事業計画書やカリキュラムの作成をお手伝いしています。
Q. 少人数でも実施できますか?
はい。人数に応じて実施形態を調整します。
まずはご相談ください。
まとめ:補助率2/3は「外部の力を借りて」使いこなす
この記事のポイントをまとめます。
- 補助率2/3の対象は「自社で企画する自主研修」ですが、講師は外部委託でOK。 委託料も補助対象です。「自社で全部やる」必要はありません。
- 「何を教えるか」「講師」「申請書類」の3つのハードルは、すべて外部の専門家に頼れます。 経営者がやるのは「決めること」と「受講」です。
- 事前申請(14日前まで)・交付決定後の着手・同時双方向型など、要件を押さえて進めましょう。
「うちの場合、どんな研修が補助対象になる?」「自社で企画できるか不安」——そんな段階でのご相談を歓迎します。
研修の設計から申請まで、中小企業診断士が一貫してサポートします。
初回相談は無料です。
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