「新メニューを考えなきゃいけないけど、アイデアが全然出てこない」「同じような商品ばかりになってしまう」——商品開発・メニュー開発に悩む店舗オーナーは少なくありません。
一人で考えていると、どうしても発想が同じパターンに偏ってしまいます。
そんな時、AIを「アイデア出しの相棒」として使うと、思いがけない発想が手に入ります。
この記事では、ChatGPTなどの生成AIと「壁打ち」しながら新メニュー・新商品のアイデアを広げる具体的な方法をお伝えします。
なぜ一人でのアイデア出しは限界があるのか

「いつもの発想」から抜け出せない
人間の発想には癖があります。過去に成功した経験や、よく見ているお店の真似など、無意識のうちに「いつものパターン」に引き寄せられてしまうのです。
「今までと違うものを」と思っていても、結局似たような商品が並んでしまう——これは特別な悩みではなく、誰にでも起こることです。
AIは「無限のブレスト相手」になる
AIには疲れも気分のムラもありません。何個アイデアを求めても、嫌な顔をせず候補を出し続けてくれます。
しかも、人間が思いつきにくい組み合わせや切り口を提示してくれることがあります。
「壁打ち」とは、誰かに考えを話しながら、その反応をヒントにアイデアを発展させる方法です。
AIを壁打ち相手にすることで、一人で考えるよりもアイデアの幅が広がります。
AIとの壁打ちで新メニューを考える手順

ステップ1:制約条件を伝える
まず、AIに「何を考えてほしいか」だけでなく、制約条件(条件・縛り)を伝えることが重要です。
制約があるほど、的を絞った具体的な提案が返ってきます。
指示の例:
大分市のカフェの新メニューを考えています。以下の条件でアイデアを10個出してください。
– 大分県産の柑橘(かぼす・ゆず・日向夏など)を1つ使う
– 価格帯は600〜800円
– 写真映えする見た目
– 夏季限定メニュー
条件を絞ることで、AIは「何でもいいから出す」のではなく、お店の状況に合った提案をしてくれます。
ステップ2:出てきた候補に「ツッコミ」を入れる
AIが出した10個の候補の中から気になるものを選び、さらに深掘りする質問を重ねていきます。
指示の例:
3番の「かぼすとはちみつのレモネードゼリー」が気になります。これをもっと夏らしく、SNSでシェアしたくなるような見た目にするには、どんな工夫ができますか?
この「ツッコミ→深掘り」を何度か繰り返すことで、最初は単純だったアイデアがより洗練された商品企画へと育っていきます。
ステップ3:違う視点から検証してもらう
アイデアがある程度固まったら、「この企画の弱点は何か」「改善できる点はあるか」をAIに聞いてみましょう。
指示の例:
このメニュー企画について、コスト・調理の手間・お客様への伝わりやすさの3つの観点で、改善できる点を教えてください。
自分では気づかなかった視点からの指摘が得られることがあります。
最終的な判断は自分で行いますが、「もう一人の自分」として客観的な視点を借りられるのがAI活用の利点です。
業種別・AIブレストの活用例
花屋:季節のアレンジメントのテーマ出し
指示例:
大分市の花屋です。秋の母の日(敬老の日)向けのフラワーアレンジメントのテーマを10個考えてください。価格帯3,000〜5,000円。年配の方への贈り物として喜ばれる、上品で控えめな雰囲気のものでお願いします。
飲食店:季節限定メニューの開発
指示例:
別府の居酒屋です。冬の鍋メニューを新規開発したいです。地元の食材(豊後牛・かぼす・地魚)を使った、他店にはない鍋メニューのアイデアを8個考えてください。
パン屋・洋菓子店:新商品の組み合わせ発想
指示例:
大分市のパン屋です。天然酵母パンと地元のフルーツ(かぼす、日向夏、いちご)を組み合わせた新商品のアイデアを10個考えてください。SNSでシェアされやすい見た目も重視してください。
美容室・サロン:新メニュー・キャンペーンの企画
指示例:
大分市の美容室です。梅雨時期に売れる新しい施術メニューのアイデアを5個考えてください。「湿気に負けない髪」をテーマに、トリートメントやスタイリングの新メニューを企画したいです。
AIを使った業務効率化のさまざまな活用法は、当事務所の無料セミナーでも実演しています。
AIブレストを使うときの心構え

「AIの提案=正解」ではない
AIが出すアイデアの中には、実現が難しいものや、お店の雰囲気に合わないものも混ざります。
「これは面白いけど、うちには合わないな」と判断する目は、あなた自身が持っておく必要があります。
AIはアイデアの「量」を増やす係。「質」を見極めて選ぶのは、お店のことを一番よく知っているあなたの仕事です。
完璧な答えを求めず、「きっかけ」として使う
AIの提案をそのまま採用する必要はありません。
「このアイデアの一部だけ使えそう」「この発想を別の商品に転用できそう」という形で、ヒントとして活用するのが効果的です。
10個の提案のうち、9個は使わなくても、1個でも光るアイデアがあれば十分に価値があります。
スタッフとのアイデア会議にも活用できる
一人で壁打ちするだけでなく、スタッフとのミーティングの前にAIで候補を出しておきそれを叩き台にして話し合うという使い方もおすすめです。
「真っ白な状態から考える」より「いくつかの候補を見ながら議論する」方が、会議の生産性が上がることが多いです。
入力してはいけない情報がある
便利さの一方で、注意すべき点があります。
門外不出のレシピ、原価表、取引先との契約条件、顧客名簿——こうした情報を、そのままAIに入力するのは避けてください。
サービスによっては、入力した内容がAIの学習に使われる設定になっていることがあります。
アイデア出しに、具体的な原価や仕入れ先名は必要ありません。
「価格帯は600〜800円」という粒度で十分に機能します。
出てきたアイデアを、実際の商品にするまでの3ステップ
AIとの壁打ちで良いアイデアが出た——ここで終わってしまう方が、実はとても多いのです。
アイデアは、商品になって初めて売上を生みます。
中小企業診断士として現場を見てきた経験から、ここでつまずかないための3ステップをお伝えします。
ステップ1:原価と手間を、紙の上で計算する
AIは、あなたの厨房の忙しさも、仕入れ値も知りません。
採用を決める前に、必ず2つの数字を出してください。
| 確認する項目 | 見るべき目安 |
|---|---|
| 原価率 | 飲食店なら30%前後が一つの目安 |
| 提供までの手間 | ピーク時に既存メニューを止めずに出せるか |
見落とされがちなのが2つ目です。
原価が合っても、忙しい時間帯に作れないメニューは続きません。
「土曜の12時に、この工程を追加できるか」を具体的に想像してください。
ステップ2:小さく試す(テスト販売)
いきなりメニュー表に載せる必要はありません。
- 週末だけの限定として出す
- 10食限定にして反応を見る
- 常連さんに試食してもらい、率直な感想をもらう
売れなかったときに、すぐ引っ込められる形で始めるのが鉄則です。これは商品開発における最大のリスク管理になります。
ステップ3:「なぜ売れたか/売れなかったか」を1行残す
ここが、次のアイデア出しの質を決めます。
8/20 かぼすゼリー 10食完売 20代女性が写真を撮っていた
8/27 同 6食 雨天 客数自体が少なかった
この記録が3か月分たまると、次にAIへ渡す制約条件が、格段に具体的になります。
「うちでは柑橘系の冷たいデザートが20代に売れる」と伝えられれば、返ってくる提案の精度も上がります。
AIとの壁打ちは、一度きりの作業ではありません。
記録を持って戻るほど、相棒として賢くなっていきます。
まとめ:AIは「もう一人のブレストパートナー」
この記事のポイントをまとめます。
- 一人でのアイデア出しには限界があります。 AIを壁打ち相手にすることで、発想の幅が広がります。
- 制約条件を具体的に伝え、出てきた候補をさらに深掘りすることで、アイデアが洗練されていきます。
- AIの提案はあくまで「きっかけ」。 採用するかどうかの最終判断は、お店を知るあなた自身が行いましょう。
- アイデアで終わらせない。 原価と手間を計算し、小さく試し、結果を1行残す。この記録が、次の壁打ちの精度を上げていきます。
「商品開発・メニュー開発にAIをどう活かせばいいかわからない」——そんな方は、ぜひ無料相談でご相談ください。
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