「メールの誤送信」事故から考えること

電子メールのイメージ画像

2022年も10月に突入し、ようやく秋っぽい感じが出てきました。
新型コロナウィルス感染症第7波もようやく収まってきたようなところですが、引き続き体調管理には気を付けて行きたいところです。

さて、先日のことですが小さな小さな「メールの誤送信」事故に遭遇しました。そこから考えられることについて書いていきたいと思います。

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目次

「メールの誤送信」事故の経緯と内容

その「メールの誤送信」事故ですが、内容としては簡単なものです。

某団体経由で受任した専門家派遣についての報告書をWordファイルで作成し、その団体の担当窓口へメールで提出したのですが、その窓口担当者から「報告書はWord形式でお願いしたい」との返信が来ました。

もともとWordで準備された報告書様式に必要事項を記入・保存して、そのままファイル添付して送っただけです。なのに、なぜ「Wordで出して!」と言われるのか!?
すごくモヤモヤして、ネットで「WordでWordファイルを開けない」現象について調べまくったわけです。

当然、その窓口担当者にも何が悪かったのか問い合わせをしてみたわけですが、その回答で真相判明しました。

真相:他の人宛に送ったメールの文面をコピペし、消し忘れたまま送っていた。

ということで、「WordでWordファイルを開けない」わけでもなんでもなく、担当者のメール送信時のミスということでした。

この「メール送信時のミス」から考えられること

今回の件は単なる「メール送信時のミス」ではあるのですが、この件から考えられることについて整理してみたいと思いました。

  1. 業務フローとして、メールでの提出・受信確認のやりとりがよいのか
  2. ファイルフォーマットとして「Word」でよいのか
  3. メール送信時の確認不足

1.業務フローの問題

様々な情報共有ツール・連絡ツールが出てきている中で、報告書の提出方法として「メール添付」が適しているのか?本当にそれでよいのか、疑問に感じました。

メールでのやり取りとなると、「盗聴・窃取」等セキュリティ上の問題が気になります。また、送信先の担当者がいつ確認したのか?そもそも宛先を間違えずちゃんと届いているのか?気になる点が増えてきます。

メール添付での提出に対する代替手段としては、クラウドのファイル共有サービスやチャットサービス等があります。「ファイル共有サービスに報告書ファイルをアップ→その旨の連絡をチャットサービスで送る」でもいいですし、「報告書ファイル自体をチャットサービスで送る」というやり方もできるかと思います。

今回の専門家派遣事業では、当然ながら私以外にも多くの専門家も参画しています。そのため、報告書が添付されたメールを確認して、受信確認した旨のメールを送って・・・等の手続きが煩雑になるようにも思います。

より効率的な手順を検討してもらいたいと思います。

2.ファイルフォーマットについて

次に提出するファイルの形式について。

今回の専門家派遣事業では、Wordで準備された報告書様式に必要事項を入力・保存したWordファイルを提出します。

今回「WordでWordファイルを開けない」ことについて調べましたが、基本的にはファイルの破損等の問題が生じているか、「Word2003」のように「docx」形式に対応できていないもので開こうとしているかになるようです。

「Word2003」、今使っている人がいるでしょうか?サポートもとっくに終了しているので、今も使っているのであれば、大問題でしょう。

また、Wordは文書編集用ソフトなので、Wordで提出した場合、提出者が意図しない変更・改ざんが加えられてしまう可能性があります。またパソコンのOSによってレイアウトが崩れてしまうこともあります。

そのため、報告書であればPDFファイルでの提出でも良いのではないかと思います。もちろんPDFファイル自体も編集を加えることができますが、Wordよりもそのハードルは高くなります。

何よりOSに依存してレイアウトが崩れてしまうようなこともなく、きれいに表示させることができます。

3.ヒューマンエラーの問題

最後にコピペで入った不要な文章を見落としていたヒューマンエラーについて。

今回は送信相手(私)に関係のない文章が残っていたということで大した問題ではなかったのですが、万が一コピペ元の文章にセンシティブな内容が含まれていたとしたら?「たかがコピペミス」では済まされない問題になってしまいます。

ここで思い出されるのは「ハインリッヒの法則」。「ヒヤリハット」という言葉でも思い出されるのではないかと思います。

ハインリッヒの法則とは、アメリカのハインリッヒ氏が提唱する「1件の重大な事故・災害の背後には、29件の軽微な事故・災害があり、その背景には300件の異常がある」という労働災害における経験則です。

https://www.kaonavi.jp/dictionary/heinrichs_law/

「たかがメール」と思われていたのかもしれないですが、外部関係者へ送るメールについては送信前に何回でもチェックをすべきかと思います。

まとめ

というわけで、軽微な「コピペミス」という認識だけで済ませてしまうと、後々大きな事故・事件に繋がりかねないので、十分に気をつけていただきたいというところです。

そもそもメールで報告書を提出という業務フロー自体もいいのかどうか・・・というところ。来年度以降も本事業は続くと思うので、そういった観点からも見直しをしていただけると良いかなと思います。

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