竹田市公共不動産サウンディングツアー@10/7

竹田サウンディングHP画像

10月7日に「竹田市公共不動産サウンディングツアー」というイベントにスポット参加してきました。「スポット参加」という書き方をしたのは、本来ならば10月7日~8日と2日間通しのツアーのうち、参加できるところ・興味のある所だけ参加するという形になったからです。

目次

「サウンディング」とは?

そもそも「サウンディング」とは何なのかよくわかっていないまま参加していたのですが、インターネットで検索してみると、国土交通省の「地方公共団体のサウンディング型市場調査の手引き」に以下のように書かれていました。

サウンディングは、事業発案段階や事業化段階において、事業内容や事業スキーム等に関して、直接の対話により民間事業者の意見や新たな提案の把握等を行うことで、対象事業の検討を進展させるための情報収集を目的とした手法である。

国土交通省「地方公共団体のサウンディング型市場調査の手引き」(平成30年6月)

というわけで、今回の竹田市のツアーは市が管理している公共不動産の活用に向けて、民間事業者から意見収集を行うというものでした。

竹田市について

竹田市は「九州のへそ」とでも言えるような九州山地のど真ん中くらいのところにあります(竹田市に関するWikipediaはこちら)。プロフィール等でも書いていますが、私の出身地で生まれてから高校卒業までを過ごした土地です。

今は過疎化・高齢化が進み、自分が高校生だった20数年前と比べても街の雰囲気は寂しい感じになっています。

今回のツアーに参加した理由としては、「サウンディングツアー」というものに興味があったのに加えて、活気の少なくなった街に何かしら貢献したいという思いがあったからです。

見学した物件について

このツアーで見学した物件は「竹田温泉 花水月」と「竹田市野外活動施設」の2か所です。

竹田温泉 花水月

ここは20年ほど前にオープンした2階建ての温泉施設で、現在は1Fに土産物店と市の商工観光課があり、2Fに大浴場があります。

サウンディングの流れとしては、市の担当者から施設の概況についての説明があり、その後見学として施設内部を見せていただきました。

市の担当者からの説明で印象的だったのは、採算ラインの年間客数が15万人のところ、10万人前後しか入っていないとのこと。完全な赤字経営・・・。
そして、1Fに入っている土産物屋は特に竹田市の特産物にこだわったわけではなく、市外の業者の商品も置かれている状態。そして施設の利用者は市内住民と隣の豊後大野市住民というわけで、だれもその土産物屋を利用しない。誰に対して商売しようとしたのか全くわからない状態となっていました。

「竹田市」で「温泉」と言えば、「長湯温泉」等の旧直入郡にある温泉の方が有名です。この施設がオープンしたのが、旧直入郡との合併前であったことを思えば、竹田市の中心部で温泉が出たということで大きな温泉施設を作ったのでしょうが、完全な過剰投資だったのではないかと思います。2Fにある大浴場も立派すぎるくらい立派。その割に利用料金(会員料金)が1回350円。利用者数が採算ラインに全く届いていないところで、激安料金なので全く投資回収できていないのではないでしょうか。

竹田市野外活動施設

この野外活動施設は、岡城のすぐ近くにあったもので、昔はローラースケート場やフィールドアスレチック等が設置されていました。小学校くらいの時には、秋の遠足などでやってきて、オリエンテーリングをしたりアスレチックで遊んだりした記憶があります。その施設が全く利用されなくなりさびれた状態になっているのは少し寂しいものでした。

ここでのサウンディングの流れとしては、説明よりも見学が中心で、宿泊棟(バンガロー)を皮切りに、ローラースケート場だったところへ行き、最後にセミナーハウスへ行きました。

ここに関しては、岡城の麓で駐車場の近くにありローラースケート場からの眺めが良いことが印象に残りました。その代わりバンガローがある場所は眺めが悪く、施設を改修して使いやすくしたとしても、単に寝るためだけの場所になりそうです。

また、セミナーハウスについては、某国立大学の研究機関(?)が入居寸前までいったものの直前で破談となってしまったようで、その残骸が残っていたのも印象的でした。このセミナーハウスの建物自体はまだきれいな状態だったので、使い道はあるかもしれないと感じました。

フィードバックしたこと

このサウンディングツアーでは、2日目(10/8)の午後に意見交換会が実施されました。他の仕事の都合で私は参加できなかったので、市の担当者にはメールでフィードバックを送らせていただきました。

竹田温泉 花水月

ここに関しては、誰にお客さんとして来てもらいたいかというターゲットが全く定まっていないのが問題なのではないかと指摘させていただきました。観光客向けの施設とするか、地域住民向けの施設とするかで中を運営する事業者も大きく変わってくるかと思います。

竹田市野外活動施設

宿泊棟、ローラースケート場、セミナーハウスの全てセットで再活用というのはなかなか大変そうな感じがしました。「岡城址のすぐ近くで眺めが良い」というのがグランピングもできるようなキャンプ場等の形で活かせればと考えました。

意見交換会のまとめは出るのかな?

私がフィードバックした内容については、市の担当者から意見交換会で出た意見を共有していただきました。その他の参加者の方も大体同じような考えだったようです。ただあくまで担当者個人の方のまとめなので、正式な議事録等の形でまとめられたものが早く見てみたいと思います。その他の施設でどのような意見が出ているかにも興味があります。

最後に

このような「サウンディング」の取り組みは初めて参加したので、個人的には良い経験になったと思います。市役所の方にいかに経営感覚が欠落していたかを知ることができました。

ただ、どのような形の取り組みにしようとここで出た意見に対してこの後どうするかが問題なので、どのような意見が出てどのような取り組みが今後行われていくのか、注意して視ていかなければならないと思います。

あとがき

この日、竹田へは車で移動したのですが、ツアー参加後の移動中にタイヤがパンクしてしまい、急遽タイヤ修理しなければならないことになりました。契約している自動車保険のロードサービスでタイヤ屋まで運んでもらいましたが、タイヤ代・修理代で約2万円。なかなか痛い出費となりました。

また、修理の終わりかけには、中九州道の竹田ICで大きな交通事故が発生し、通行止めにあいました。

なかなか運のない一日でした(;´・ω・)

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