「持続化給付金」「特別定額給付金」の電子申請

新型コロナ対策のイメージ画像

昨日5月14日、ここ大分県は新型コロナによる「緊急事態宣言」が解除になりました。

京都大学教授で元内閣参与の藤井聡先生がお話しされているように、「なんとなく雰囲気で」緊急事態宣言が出され、「なんとなく収まってきたみたいなので」緊急事態が解除されているという感じです。

今年に入ってからのこの「コロナ禍」により、日本は経済的に大きなダメージを受けています。

そのような中で、「ふわっと」始まり、「ふわっと」解除された緊急事態宣言に何か意味があったのか、何か効果があったのか、しっかりとした検証が必要だと思いますが、今のこの安倍政権では満足な検証など無理でしょう。安心して任せられる方々に検証をお願いしたいものです。

目次

「給付金」の電子申請が大変のようです・・・

このコロナ禍において、経済的に大きなダメージを受けた事業者への支援として「持続化給付金」が、国民への一律支援として「特別定額給付金」が創設され、申請受付が開始されています。

これらのうち、「特別定額給付金」はマイナンバーカードを利用した電子申請と市区町村の役所・役場から届く申請書類に必要事項を記入して返送する紙での申請の2通りが選べますが、「持続化給付金」の申請については「電子申請」のみとなっています。

本来ならば、一刻でも早く受け取ることができるようにするための電子申請だと思うのですが、それが逆に混乱を招いているようです。

「持続化給付金」

持続化給付金のイメージ画像

持続化給付金は、新型コロナウィルス感染症の流行によって、売上金額が前年同月比で50%以上減少した事業者に対して給付されます。その金額は、

  • 法人の場合:最大200万円
  • 個人事業主の場合:最大100万円

となっています。

実際に給付される金額は、下記の計算式によって算出されます。

■給付額の算定方法
前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)

持続化給付金サイト(https://www.jizokuka-kyufu.jp/

申請はこの持続化給付金サイトからの電子申請のみとなっているため、インターネットに接続できるパソコンやスマホを持ち合わせていない高齢の事業者等で申請ができないということが発生しているようです。

パソコンやスマートフォン・タブレットを持っていて、インターネットにアクセスできる方はぜひこのサイトから申請手続きをしていただきたいと思います。

電子申請ができない人はどう対応する?

パソコンやスマートフォン・タブレットがなくて電子申請できないという方は、次のような形で対応することになるかと思います。

  • 「申請サポート会場」に行って申請をする
  • 知人や支援者にパソコン等を借りて申請する

「申請サポート会場」は今週に入って全国各地で設置が始まっています。しかし、大分県では5/15の段階では臼杵市のみの設置です。「5月末までに全国で400会場」とのことなので、「臼杵は遠い・・・」という方は、近くに設置されるのを待つか、知人や中小企業支援を行っている方に相談してパソコンを借りる等の対応を検討することになるかと思います。

※5/19追記
5/18に申請サポート会場の情報が更新されました。大分県では日田市と宇佐市で申請サポート会場が追加されています。
6月以降も会場追加の予定はあるようです。また、設置されない地域には「キャラバン隊」を派遣してサポートを行うようです。

「特別定額給付金」

特別定額給付金のイメージ画像

こちらは、国民1人あたり10万円を一律に給付するものです。申請方法は、郵送による申請または電子申請となります。

電子申請にはマイナンバーカードが必要

こちらの電子申請の落とし穴は「マイナンバーカード」が必要であるということです。

確定申告の際にe-TAXで電子申請をされている方は、そんなに難しい手続きではないと思います。カードリーダーでマイナンバーカードを読み込ませてパスワードで認証し、必要事項を入力して送信するだけです。但し、インターネットにあがっている情報では、一人で何回でも申請できたり、申請を受け付けた後の市役所でのチェックが紙の申請よりも手間がかかるなど、ホンマかいなという話も出てきています。

今、この電子申請をするために、

  • マイナンバーカードを作る人
  • パスワードの再設定をする人

が増加して、市役所や役場に人が殺到しているとのこと。

人が密集・密接しないような「3密」が求められているのに、この電子申請のために人が集まる場所を作り出してしまっているのが何とも皮肉です。

また、マイナンバーカードを読み取るためのカードリーダーも必要になるため、この電子申請のためだけに、新しくマイナンバーカードを作るというのは逆に手間がかかってしまうかなと思います。マイナンバーカードを読み取るために、ブラウザに拡張機能をインストールしなければならなかったりするので、パソコンの操作はあまり得意ではないという方には、少し難しいのではないかと思います。

こちらに関しては、郵送での申請手続きも可能となっているため、無理に電子申請に挑戦するよりは、そちらを選んだ方が良いかと思います。

まとめ

「持続化給付金」「特別定額給付金」ともに電子申請対応となっていますが、使い勝手という点ではあまり芳しくないようです。このような緊急事態になるとコンピュータシステムとしての使い勝手だけでなく、制度としての善し悪しも目立ってしまいます。

コンピュータシステム的にも制度設計的にも、柔軟・迅速に対応できるものにしていただきたかったと思います。

「特別定額給付金」については、これまでにe-TAXで確定申告をしたことのない方は郵送での申請をお勧めします。

「持続化給付金」について、自分で電子申請することが難しいという方は、身近なITに詳しい人または商工会・商工会議所やよろず支援拠点、士業の有資格者等の中小企業支援者へ相談ください。もちろん私も相談対応させていただきます。